花はいつなんどきも美しく
「だから、その……岩本さんからフミ君を奪ったっていうか……取り返した……」
「私がドロボーみたいなふうに言うのやめてくれませんかね!?」
食い気味に言い返すと、園田雪はぽかんとし、次は笑った。
「ごめんなさい」
笑いながら謝られると、何とも言えない複雑な気持ちになる。
怒る気力もなくなる。
「……ずっとあの野郎が好きだったのに、どうして早く言わなかったんですか?」
ふと気になったことを聞いただけだが、その質問で園田雪から笑顔が消えた。
「男から好きって言われても、困るでしょう?」
泣きそうな笑顔に、こっちまで胸が締め付けられる。
「……て、そんなふうに思っていながら、どうしてあんなことになったんです」
いくら私が嫌だったからといって、男と付き合うような人間ではなかったように思う。
つまり、園田雪が言わない限りああいった状況にはならないはずだ。
「それは……同窓会で再会したとき、フミ君が『雪が女だったらよかったのに』って言ってくれて。その帰り道、思い切って告白してみたら……」
上手くいきましたって、申し訳なさそうな笑顔に書いてある。
腹が立つ。
「……話ってそれだけですか」
「あ、いや!フミ君が、岩本さんの物をどうしようかって」
「私がドロボーみたいなふうに言うのやめてくれませんかね!?」
食い気味に言い返すと、園田雪はぽかんとし、次は笑った。
「ごめんなさい」
笑いながら謝られると、何とも言えない複雑な気持ちになる。
怒る気力もなくなる。
「……ずっとあの野郎が好きだったのに、どうして早く言わなかったんですか?」
ふと気になったことを聞いただけだが、その質問で園田雪から笑顔が消えた。
「男から好きって言われても、困るでしょう?」
泣きそうな笑顔に、こっちまで胸が締め付けられる。
「……て、そんなふうに思っていながら、どうしてあんなことになったんです」
いくら私が嫌だったからといって、男と付き合うような人間ではなかったように思う。
つまり、園田雪が言わない限りああいった状況にはならないはずだ。
「それは……同窓会で再会したとき、フミ君が『雪が女だったらよかったのに』って言ってくれて。その帰り道、思い切って告白してみたら……」
上手くいきましたって、申し訳なさそうな笑顔に書いてある。
腹が立つ。
「……話ってそれだけですか」
「あ、いや!フミ君が、岩本さんの物をどうしようかって」