花はいつなんどきも美しく
……ごめんなさい
数日後、デートの日になった。
目覚ましが鳴るよりも先に起きたり、着ていく服に迷ったり、少しだけ化粧を変えてみたり。
悠之介とデートできることを、これだけ楽しみにしている自分に少し驚く。
カバンも持って、準備が完了したそのとき、電話が鳴った。
心の底から嫌な予感がする。
画面を見ると、『園田雪』と表示されている。
出たくない。
出てもいいことない。
だけど完全に無視することなんてできなくて、しぶしぶ出る。
「……はい」
その声は低かった。
「あ、岩本さん?お休みの日なのにすみません。少しトラブルが発生して……今から来てもらえませんか?」
泣きたい。
あれだけ嫌だったことが起きてしまった。
「岩本さん?」
反応しないでいたら、園田雪に名前を呼ばれた。
「……私が行かなきゃいけないほどのことですか?」
どうしても行きたくなくて、社会人らしからぬことを言ってしまった。
「……すみません……」
電話越しで園田雪の顔は見えないけど、なんとなく、お得意の子犬顔をしているような気がした。
これ以上渋り続けたら、いじめているような気分になってきそうだ。
「……どれくらいの時間で終わりますか?」
「午前中には終わると思います!」
まだ行くとは言っていないのに、園田雪は声のトーンを上げた。
目覚ましが鳴るよりも先に起きたり、着ていく服に迷ったり、少しだけ化粧を変えてみたり。
悠之介とデートできることを、これだけ楽しみにしている自分に少し驚く。
カバンも持って、準備が完了したそのとき、電話が鳴った。
心の底から嫌な予感がする。
画面を見ると、『園田雪』と表示されている。
出たくない。
出てもいいことない。
だけど完全に無視することなんてできなくて、しぶしぶ出る。
「……はい」
その声は低かった。
「あ、岩本さん?お休みの日なのにすみません。少しトラブルが発生して……今から来てもらえませんか?」
泣きたい。
あれだけ嫌だったことが起きてしまった。
「岩本さん?」
反応しないでいたら、園田雪に名前を呼ばれた。
「……私が行かなきゃいけないほどのことですか?」
どうしても行きたくなくて、社会人らしからぬことを言ってしまった。
「……すみません……」
電話越しで園田雪の顔は見えないけど、なんとなく、お得意の子犬顔をしているような気がした。
これ以上渋り続けたら、いじめているような気分になってきそうだ。
「……どれくらいの時間で終わりますか?」
「午前中には終わると思います!」
まだ行くとは言っていないのに、園田雪は声のトーンを上げた。