花はいつなんどきも美しく
◇
ドアを開ける勇気がなかった。
デートはドタキャンして。
ほぼ一日待たせて。
合わせる顔がない。
メールで行けなくなったって伝えて、帰ろう。
それがいい。
そう思ったのに、ドアが開いた。
「……聡美ちゃん、何してるの?」
「ゆ、悠之介……」
どうやら店の前にいたことがバレていたらしい。
「えっと……その……今日、ごめんね。ドタキャンして」
笑顔を作って言うけど、気まずさがないわけじゃない。
逃げたい気持ちでいっぱいだ。
「まったく、まだそんなこと気にしてたの?いいから、中に入って」
言われて店の中に入る。
今日は休みの予定だったから、誰もいない。
「聡美ちゃん、こっち」
そしていつもの席に座ろうとすると、悠之介は店の奥で手招きした。
よくわからないまま悠之介のところに行く。
悠之介がドアを開けると、階段があった。
「俺の部屋に行こう」
「え……」
店の二階が悠之介の部屋だということは知っていた。
あの日、酔った私がいたのは悠之介の部屋で、ここから会社に行ったから。
しかしこのタイミングで誘われるとは思っていなかった。
「嫌?」
……嫌って言わせる気ないくせに。
「……そうは言ってない」
ドアを開ける勇気がなかった。
デートはドタキャンして。
ほぼ一日待たせて。
合わせる顔がない。
メールで行けなくなったって伝えて、帰ろう。
それがいい。
そう思ったのに、ドアが開いた。
「……聡美ちゃん、何してるの?」
「ゆ、悠之介……」
どうやら店の前にいたことがバレていたらしい。
「えっと……その……今日、ごめんね。ドタキャンして」
笑顔を作って言うけど、気まずさがないわけじゃない。
逃げたい気持ちでいっぱいだ。
「まったく、まだそんなこと気にしてたの?いいから、中に入って」
言われて店の中に入る。
今日は休みの予定だったから、誰もいない。
「聡美ちゃん、こっち」
そしていつもの席に座ろうとすると、悠之介は店の奥で手招きした。
よくわからないまま悠之介のところに行く。
悠之介がドアを開けると、階段があった。
「俺の部屋に行こう」
「え……」
店の二階が悠之介の部屋だということは知っていた。
あの日、酔った私がいたのは悠之介の部屋で、ここから会社に行ったから。
しかしこのタイミングで誘われるとは思っていなかった。
「嫌?」
……嫌って言わせる気ないくせに。
「……そうは言ってない」