花はいつなんどきも美しく
暴論だ。
そんなの、愛子が思ってるだけだろう。


そう思ったのに、隣で聞いていた園田雪が頷いているから、愛子の言っていることは正しいのではないかと思ってしまう。


「聡美は聡美らしく。告白なんてあったっけ?みたいな態度でいればいいんだよ」
「いや、それはさすがにダメでしょ」


なかったことにしてしまうほど、最低な人間ではない。
……と、思いたい。


「それにしても、聡美が知ってるってことは、真司言ったんだね」
「デートの邪魔をしに来ましたよ」


悠之介にネックレスをもらえたことは嬉しかったけど、やっぱり邪魔してきたことは許してない。


「うわ、勇者」


愛子は笑ってるけど、これは決して笑い話ではない。


「真司さん、本当に行ったんだ……」


感心してる場合か。
お前のせいだってのに。


「雪君は知ってたんだ?」
「僕が教えたので」
「なにそれ、詳しく」


愛子は園田雪の話に興味を持ち、私は解放された。


園田雪はどうして教えたのかを説明している。


「そんな面白いことになってたとはねえ」


からかう気満々だということは、目を見ればわかる。


「今日ママに話聞きに行こーっと」
「え、なんで!?」


てっきり、今からかわれるかと思ったのに。
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