冒険者の王子は 旅と恋する
旅は道連れ

友人と旧友




ふわり。


風が体をつつむ。


きらり。


意識が揺らいで
はっきりと光をとらえる。



あぁ、そうか。


ずっと感じていた感触が混ざる。


コーヒー飲みたいなぁ。




「・・・チェース?
 どうしました?苦かったですか?」

「あぁ、ジョイル。大丈夫。」

俺は、カップを持ったまま
笑う。

カップの中はほうじ茶と麦茶をぎゅーーっと濃縮したような味の一般的なお茶だ。疲労回復と眠気を吹き飛ばすからよく朝食に飲まれているようなもの。

ここは、町から少し離れた森の中。

俺と、ジョイルは
ちょうど野宿・・・野営・・をした朝。
簡単な朝食と、カップに茶を注いで一口飲んでの感想だ。

結界張っていたし魔獣もいないようだし
平和なキャンプだったな。




俺は、冒険者のチェース。

この世界は、魔法と冒険のファンタジー。
わざわざ、この世界、というのには理由がある。

俺には『チキュウ』の『ニホン』で生きていた。という記憶がある。それを思い出した時は混乱したし、気が触れたかと思ったが、
持ち前の(自分で言うなって?)精神力で
前向きに『冒険者になる』ということを目指したって訳だ。

もちろん、
思い出しと時に
「やべぇ、超 つよいんじゃ?!」みたいな勘違いをしたのは内緒だ。
謎のポーズとともに「ステータス!」とか言ってみたりさ。

ちなみに、剣術や武術は
まぁまぁ、強い ぐらいの印象だな。
一緒に学んでいたやつに(しかも年下)勝てなかったし。

勉強はそれなり、だった。
そもそも、20年以上生きていたやつの知識を持った
頭脳は大人、体は子供、みたいなやつだぜ?

それなりに、出来た。
一番ではないけど まぁ、テストしたら上位10人ぐらいには入るんじゃない?

それで、魔力 魔力はちょっと自信がある!
珍しい「光の魔力もち」なんだよな。
いわゆる、『聖』の力っちゅーか そんな感じ。

そのほかの 火とか 風とか 水はまんべんなく
生活魔術よりはつかえるかな。ぐらい。

まぁ、顔立ちはいいと思うぞ。
一応、『第二王子』だったしな。

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