さよなら、片想い
出社していつものロッカーに荷物を入れていると、先輩たちのひそひそ声が耳に入ってきた。
聞いていい話かわからないけれど、聞こえるものはしょうがない。
「どうかしました?」
その内緒話、こっちまで聞こえています、のアピールだ。
実は、と言って先輩方は隠すことなく教えてくれた。
この部署で長年事務をしているパートのヒサコさんが、昨日付けで営業部に異動になったとのことだった。
「それは、誰かが怪我をしたとかそういう?」
「違うみたい。営業からも検査部に一人異動だって」
ヒサコさんのやっていた事務仕事は、手描きの現場から一人が担当することになるのだそうだ。
始業時刻も迫っていたのでそれ以上の話はできず、私は持ち場に向かうしかなかった。
悶々としたまま時間が過ぎていく。
パート従業員の異動であって正社員のものではないから辞令の貼りだしはない。
それにしたって、昨日まで一緒に仕事をしていた人が急に他へ回されるというのは当人はもちろん、元の職場の人にとっても衝撃だ。
明日は我が身というか、もう我が身に降りかかっているのかもしれないわけで……。
聞いていい話かわからないけれど、聞こえるものはしょうがない。
「どうかしました?」
その内緒話、こっちまで聞こえています、のアピールだ。
実は、と言って先輩方は隠すことなく教えてくれた。
この部署で長年事務をしているパートのヒサコさんが、昨日付けで営業部に異動になったとのことだった。
「それは、誰かが怪我をしたとかそういう?」
「違うみたい。営業からも検査部に一人異動だって」
ヒサコさんのやっていた事務仕事は、手描きの現場から一人が担当することになるのだそうだ。
始業時刻も迫っていたのでそれ以上の話はできず、私は持ち場に向かうしかなかった。
悶々としたまま時間が過ぎていく。
パート従業員の異動であって正社員のものではないから辞令の貼りだしはない。
それにしたって、昨日まで一緒に仕事をしていた人が急に他へ回されるというのは当人はもちろん、元の職場の人にとっても衝撃だ。
明日は我が身というか、もう我が身に降りかかっているのかもしれないわけで……。