さよなら、片想い
キャップの開けすぎで堅くなった私の手の皮膚はひび割れていた。あかぎれもある。手入れをしていないわけじゃないけど、回復が追いついていないのだ。
人前に出せるような手じゃないことに気づいて後ろ手に隠したくても、伸子やらハンドクリームやらあって身動きが取れない。
「まじめに仕事している人のことを、そんなふうには思わない」
静かな声でそう言われた。
徐々に顔の熱が冷めていく。
母親であるアケミさんも使っているクリームだそうだ。
「ありがとうございます。気にかけてくれて。……じゃあ、使いますね」
私がアケミさんのフォローに入っていたのを、岸さんはどんな思いで見ていたのだろう。
人前に出せるような手じゃないことに気づいて後ろ手に隠したくても、伸子やらハンドクリームやらあって身動きが取れない。
「まじめに仕事している人のことを、そんなふうには思わない」
静かな声でそう言われた。
徐々に顔の熱が冷めていく。
母親であるアケミさんも使っているクリームだそうだ。
「ありがとうございます。気にかけてくれて。……じゃあ、使いますね」
私がアケミさんのフォローに入っていたのを、岸さんはどんな思いで見ていたのだろう。