さよなら、片想い
 お互いの近況報告をしたあと、聞いてみた。

「ねえ、私ってかわいい?」

 はあ? と宏臣は変な声を上げた。

「どう答えりゃいーんだよ。……まあまあ、かわいいかな」

 彼女には内緒にしてくれよな、などと大きな体を前屈みにする。


「宏臣はどうしてあの子とつきあうことにしたの?」

「向こうが俺のこと、ずっと好きだったらしくて」

 鼻の下を指でこすりながら、宏臣は言う。
 私はフォークでパフェのバナナを刺した。

「もともと家は近所なんだけど、大学卒業して、地元に戻ってから久々に会って、告られた。言われなきゃわからないままだったな」

「ずっと好きだったとか、そのくらい気づきなよ」

「本当だよな」

 そっちの話じゃないよ。
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