さよなら、片想い
社長の挨拶や乾杯があって会食となった。
和洋折衷のコースメニューはどれもおいしかったし、席の番号くじを使っての抽選会もあって、大いに盛り上がった。
「結衣ちゃん、それ開けてみせてよ」
私は抽選会始まって早々に、ブランド品のペアのマグカップを当てていた。
中身を見るまえからどうして知っているのかというと、当選番号を発表する係の役職者が場を盛り上げようとして、目玉となる景品を声高らかに明かしていたからだった。
張りの効いた紙袋から包みを出す。
出てきた白磁のカップに周囲の女性陣たちと惚れ惚れしていると、
「撮るよ」
と声をかけられる。
一眼レフを構えた岸さんがそこにいた。黒と見紛う濃紺の羽織着物を着ていた。
私は素材の艶感まで食い入るように見てしまった。だって、岸さんにものすごく似合ってる……。
和洋折衷のコースメニューはどれもおいしかったし、席の番号くじを使っての抽選会もあって、大いに盛り上がった。
「結衣ちゃん、それ開けてみせてよ」
私は抽選会始まって早々に、ブランド品のペアのマグカップを当てていた。
中身を見るまえからどうして知っているのかというと、当選番号を発表する係の役職者が場を盛り上げようとして、目玉となる景品を声高らかに明かしていたからだった。
張りの効いた紙袋から包みを出す。
出てきた白磁のカップに周囲の女性陣たちと惚れ惚れしていると、
「撮るよ」
と声をかけられる。
一眼レフを構えた岸さんがそこにいた。黒と見紛う濃紺の羽織着物を着ていた。
私は素材の艶感まで食い入るように見てしまった。だって、岸さんにものすごく似合ってる……。