さよなら、片想い
隣のテーブルにいた意匠部の女性によると、カメラは意匠部が業務使用しているもので、社内行事の度に部が撮影を担当しているとのことだった。
「岸くん、カメラ代わろっか」
「めかし込んだ女の子にそれはだめだろ」
この付近の写真を数枚撮ったところで意匠部の女性が声をかけ、岸さんはそれを断っていた。
岸くん、とうちの部署の先輩も呼んでいるけれど、今のフランクな感じは意匠部としての親密さを物語っているようで聞いていてもやもやする。
「でも、岸くんこそ今日はキメてるんだし」
「うん、素敵よね」
「どこのモデルさんかと思ったわあ」
ベテラン社員さんも混ざってそんなことを言い始める。
出遅れた、と思った。
「岸くん、カメラ代わろっか」
「めかし込んだ女の子にそれはだめだろ」
この付近の写真を数枚撮ったところで意匠部の女性が声をかけ、岸さんはそれを断っていた。
岸くん、とうちの部署の先輩も呼んでいるけれど、今のフランクな感じは意匠部としての親密さを物語っているようで聞いていてもやもやする。
「でも、岸くんこそ今日はキメてるんだし」
「うん、素敵よね」
「どこのモデルさんかと思ったわあ」
ベテラン社員さんも混ざってそんなことを言い始める。
出遅れた、と思った。