ねぇ・・君!
清香の手紙
英明と清香は、ファミレスを出ると
京都にある清香の実家に向かった。
「清香、本当は不安なんだ。
おまえとの仲をご両親が
認めてくれるか不安なんだ」
「そう言うと思っていたわ。
実はね、私の母にあなたのことを
手紙に書いたの。そしたら、
母が私にお付き合いをしている方が
できてよかったって喜んでくれたの。
あなたが私を朗らかにしたんだね
と言ってくれたのよ」
いつの間に、清香は実家の母親に
手紙を書いていたんだろうか。
吉澤との影が消えて、気持ちに
余裕ができたのだろうか。
それならば、清香が自分だけを
愛している心が通じたことになる。
英明は、そんな清香の心境の変化を
うれしく感じていた。
そして、英明と清香が車の運転を
交代しながら京都に着いたのが、
お昼になった頃だった。
そして、清香の実家に二人は着いた。
「ただいま」
清香は、いつものように
玄関に入っていた。
「清香、どうしたの?」
「今日は、お父さんとお母さんに
紹介をしたい人を連れてきたの。
私の会社の上司の長野英明さん。
英明さん、私のお母さんよ」
「はじめまして、長野英明です」
「はじめまして、清香の母です。
娘がお世話になっております。
どうぞ、お入りくださいな。
せっかく、遠路はるばる
来てくださったんですから、
娘の近況を聞かせてくださいな」
英明は、清香の実家を見て驚いた。
清香の母は、華道御室流の師範で
あるため、清香自身も華道御室流の
師範の免状を持っている。
そして、清香の母が茶道裏千家の
師範であることから、清香自身も
茶道裏千家の免状を持っていた。
清香の家族は、両親と
高校1年の弟がいる。
兄弟の年が離れていることを
不思議に思った英明に清香は言った。
「私と弟の間に双子の妹がいたの。
だけど、死産だったの」
「おまえに妹がいたのか?」
「そうなの、私が物心ついた時に
母から教えてもらったの」
そうしていくうちに、
玄関の鈴が元気よく鳴っていた。
「ただいま」
「おかえり、貴志」
「姉ちゃん、帰っていたの?
何かあったの?」
「貴志、お客様が来ているのよ。
ご挨拶をしなさい」
貴志という少年は、清香の弟であった。
「いらっしゃいませ、
姉がお世話になっています」
貴志は、礼儀正しい少年であった。
貴志が、自分の 部屋に行った時に
清香の母が言った。
「清香から手紙で、あなたが
自分の命を懸けて守ってくれたと
書いていたんですよ。
本当に、あなたにお会いできて
よかったわ。あなたが、清香を
朗らかにしたのだと思いました。
本当に、あの子の笑顔を
久しぶりに見れましたわ」
英明は、清香の母の言葉で
清香に笑顔が戻ったことを知った。
それは、清香の心に史生の影が
消えていた証であったのだ。
もう、清香に涙を流させない。
必ず、自分が清香を幸せにすると
英明は、清香の笑顔を見て
そう思っていた。
京都にある清香の実家に向かった。
「清香、本当は不安なんだ。
おまえとの仲をご両親が
認めてくれるか不安なんだ」
「そう言うと思っていたわ。
実はね、私の母にあなたのことを
手紙に書いたの。そしたら、
母が私にお付き合いをしている方が
できてよかったって喜んでくれたの。
あなたが私を朗らかにしたんだね
と言ってくれたのよ」
いつの間に、清香は実家の母親に
手紙を書いていたんだろうか。
吉澤との影が消えて、気持ちに
余裕ができたのだろうか。
それならば、清香が自分だけを
愛している心が通じたことになる。
英明は、そんな清香の心境の変化を
うれしく感じていた。
そして、英明と清香が車の運転を
交代しながら京都に着いたのが、
お昼になった頃だった。
そして、清香の実家に二人は着いた。
「ただいま」
清香は、いつものように
玄関に入っていた。
「清香、どうしたの?」
「今日は、お父さんとお母さんに
紹介をしたい人を連れてきたの。
私の会社の上司の長野英明さん。
英明さん、私のお母さんよ」
「はじめまして、長野英明です」
「はじめまして、清香の母です。
娘がお世話になっております。
どうぞ、お入りくださいな。
せっかく、遠路はるばる
来てくださったんですから、
娘の近況を聞かせてくださいな」
英明は、清香の実家を見て驚いた。
清香の母は、華道御室流の師範で
あるため、清香自身も華道御室流の
師範の免状を持っている。
そして、清香の母が茶道裏千家の
師範であることから、清香自身も
茶道裏千家の免状を持っていた。
清香の家族は、両親と
高校1年の弟がいる。
兄弟の年が離れていることを
不思議に思った英明に清香は言った。
「私と弟の間に双子の妹がいたの。
だけど、死産だったの」
「おまえに妹がいたのか?」
「そうなの、私が物心ついた時に
母から教えてもらったの」
そうしていくうちに、
玄関の鈴が元気よく鳴っていた。
「ただいま」
「おかえり、貴志」
「姉ちゃん、帰っていたの?
何かあったの?」
「貴志、お客様が来ているのよ。
ご挨拶をしなさい」
貴志という少年は、清香の弟であった。
「いらっしゃいませ、
姉がお世話になっています」
貴志は、礼儀正しい少年であった。
貴志が、自分の 部屋に行った時に
清香の母が言った。
「清香から手紙で、あなたが
自分の命を懸けて守ってくれたと
書いていたんですよ。
本当に、あなたにお会いできて
よかったわ。あなたが、清香を
朗らかにしたのだと思いました。
本当に、あの子の笑顔を
久しぶりに見れましたわ」
英明は、清香の母の言葉で
清香に笑顔が戻ったことを知った。
それは、清香の心に史生の影が
消えていた証であったのだ。
もう、清香に涙を流させない。
必ず、自分が清香を幸せにすると
英明は、清香の笑顔を見て
そう思っていた。