ねぇ・・君!
新居に引っ越しをする時
英明は、清香と暮らすために
新居に引っ越しをすることにした。
これまで英明は、
独身部屋に住んでいたが、
清香と夫婦で暮らすために
ファミリー向けの部屋に
住み替えをしたのだ。
それには、理由があった。
それは、清香に英明との新しい生命が
宿っていたからだった。
英明は、清香から小さな命が宿っている
と知らせを聞いた時は、うれしかった。
自分自身、初めての子供だったからだ。
清香が「フレンチカジュアル」の
茶屋町オフィスを退職してから
まもなく1カ月、季節は初夏から
夏になろうとしていた。
そして、新居の引っ越しが整ったのを
見計らって、英明は清香と結婚式を
挙げることになった。
結婚式は、自分の実家の近くにある
日本庭園で挙げることになった。
結婚式を挙げる時、
白の花嫁衣装を着た清香に
英明は、今までと違う
トキメキを感じていた。
それは、清香に初めて
出会った時のトキメキと似ていた。
この時、紋付き姿の英明は
清香に花嫁衣装を着せられたことを
うれしく思っていた。
「きれいだよ、清香」
あとは、言葉にならなかった。
過去に離婚をしていたにも関わらず
清香と出会ったことで
生涯をともにしたいと願っていた。
それが今、現実となりまもなく
家族が増えることをうれしく思っていた。
「清香、おまえに出会えて幸せだよ。
こうして、おまえと夫婦になれたことも
そうだが家族が増えるという
幸せをくれたことをうれしく思っている」
「英明さん、私は幸せです。
あなたの妻となっただけでなく、
赤ちゃんを授けてくれたことを
うれしく思っています」
「清香、生まれてくる子供を
大切に守っていこう。
そして、夫婦として
生涯をともに生きていこう」
そうしたなかで英明と
結婚式が執り行われた。
神殿で三三九度の杯を交わして
二人は指輪をはめていた。
清香は、この時に涙を流していた。
そして、それぞれの両親が
親子の杯を交わしたのち、
英明と清香は誓いの言葉を述べていた。
こうして清香は、英明の妻となった。
やがて、清香のなかで育っている
小さな命が生まれてこようとしている。
その小さな命を守っていこうと
英明はそう思っていた。
そして、妻となった清香と
生まれてくる我が子のために
一家の主となって守っていこうと
英明は決意を新たにしていた。
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