その青に溺れる
誰が止めるのか この出会いを
あぁ、そうだ、彼は自分勝手だった
恋をしようと誰を想おうとも
それに興味を抱くことは無い
繰り返されるキスも
その種類が増えても
そこに興味を持つことすら無い
気が向いた時に取り出して
遊ぶだけ遊んで
気が済んだら放り投げる
「柚月……気をつけて帰れよ、裾引きずってるぞ」
そんな彼が、初めて口にした言葉
ずっと振り回したくせに
「邪魔だ、早く行け」
強引で傲慢なくせに
「なぁ、聞こえてんだろ、早く帰れ、体調悪いのに連れきて悪かった」
どうして今日に限ってそんなに優しく出来るんですか、などと誰が聞けただろうか、
ドアに掛けた手は自然に開き、体は足を進めて流れに沿ってドアを閉めた。