その青に溺れる
『また痴話喧嘩・・・・・・』と嫌気が差した。
自分でも邪魔なのは充分判ってる、けれど1ヶ月と言った以上は守らないと、
そう思った所で『別に守らなくてもよくない?』と彼女の口ぶりが移り、思わず笑みが零れる。
だがしかし、目の前は険悪な雰囲気に包まれていく。
「お前が決めることじゃない」
「えぇ、いいじゃん!お願い!」
彼女は駄々を捏ねても可愛いのに、ついこの間までハグして抱き合ってたのに
それもこれも自分のせいで、巻き込んでしまったのは自分なのかと思い始める。
そんな自分を他所に二人は益々険悪になっていった。
「無理なものは無理だ」
「無理じゃないじゃん!瑠貴がポイすればいいだけだよ?ね?」
人を物のように扱う彼女に彼は諭すように咎める。
「だめだ」
「じゃぁ、いつ辞めるの?ねぇいつ?」
彼女は諦めずに食い下がるが彼は苛立ってるようだった。
左手に煙草を挟み、その薬指が肘掛を叩いて煙が揺れている。
「しつこいぞ」
「早く辞めさせなよ、もういいでしょ」
その言葉は突き刺さるほどに冷たく、彼女が何を言おうとしてるかが判った。
彼女は彼と一緒に居たいのだ。