幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
幼なじみの吸血鬼くん
時は人間とモンスターが共存する世界。

私は人間だ。

でも、私の幼なじみは吸血鬼。

友達の中には狼女や人魚などもいる。

つまり、さまざまな種族が存在している。

「りり、血ちょーだい?」

私の幼なじみは私の血を吸って生きている。

玲音(れお)、まだ時間じゃないって」

「分かった」

玲音は吸血鬼の中でも有名な一族だ。

玲音の両親は吸血鬼であり医者という、いわゆるエリート一家の息子だ。

普通の吸血鬼は血を吸わなくても生きていけるのだけれど、有名な一族が故に血を吸わないと生きていけないらしい。

別に誰の血でもいいはずなのに、玲音は私の血以外吸わない。

なんか味がいいらしい。

嬉しくもない誉め言葉を受け止めきれなかったけど、玲音ためならと毎日血を吸われている。
< 1 / 328 >

この作品をシェア

pagetop