幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「でも、ぶっちゃけどうなの?入井くんのこと、恋愛対象として好きなの?」

恋愛対象………なんて考えてないよ。

私と玲音は食料と主人なわけで、幼なじみ以外に特別な名前はない。

恋人とかそんなのでもなくて。

ただ、そばに居てくれる人だって思ってるぐらいだよ。

「それはない。私は所詮、食料だから」

「それ、入井くんが言ってたの?」

「ううん。蓮常寺くんが言ってきた」

「入井くんが言ってきたわけでもないのに、何勝手に決めつけてんの?」

だって、そう思わないといけないんだもん。

そう思わないと………恋じゃないのに意識しちゃうかもしれないじゃん。
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