幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
二人きりで気まずい中、晴くんが話し始めた。

「りりさんは入井くんと乗りたかった?」

「そんなことないよっ。晴くんと乗れて嬉しいよ」

「……期待しちゃうよ」

晴くんは切なげそうに、ぼそっと言った。

「……でも、玲音と行動したかったなって思った」

「そっか、りりさんは入井くんが好きなんだね」

私が玲音を好き?

確かに色んな人に言われるけど、どうなのかな?

「好きだよ。幼なじみとして」

今の私にはそれしか言えなかった。

「そっか。じゃあ、僕には勝ち目ないね」

え?

「僕はりりさんが好きだよ。出会ったときからずっと」
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