幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
親たちにこの事を話すとすぐに洋館に来てくれた。

玲音のお母さんの第一声は

「ついに来たのね」

だった。

「知ってたんですか?」

「………これがあの子の運命だから」

なんで諦めてるの?

諦める前に呪いを解く方法とかを探さなかったの?

なんでよ!

玲音にこんな運命ってあんまりだよっ!

「………この本には愛が呪いを解く鍵になるってあります。私が玲音のことを愛せばいいんですよね」

「愛すって言ってるけどあなた、本当に気持ちはあるの?」

その会話を聞いていたお母さんは心配そうに尋ねてきた。

そうだよ。

やっと気づいたの。

「………私は玲音のこと、愛してるから」

私が今出来ることはこれぐらいしかないから。
< 116 / 328 >

この作品をシェア

pagetop