幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「あんたたち、一緒に寝てたの?」

私の様子を見に来た玲音のお母さんが枕が二個あったため、そう聞いてきた。

「うん、玲音がベッド一つしかないからって。それがどうかしたんですか?」

「………ベッド二つあるわよ」

え?

「でも、玲音は一つしか無いって……」

「玲音の部屋の奥にあるのよ」

私は玲音の部屋の奥へ行ってみた。

そういえば行かせてもらえなかったな。

案の定、奥にはベッドがあった。

玲音め、私をよくも騙したな。

「あの子もなかなかやり手ね……」

「あの、寝てもいいですか?」

「そうねっ。おやすみ」

玲音のお母さんが行ってしまうと急に独りになったような気分になった。

いつも玲音と寝てたから寂しいのかな。

玲音と居たいな。
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