幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「りりさんから連絡をくれるなんて珍しいね」

晴くんは急いで来てくれたらしい。

「晴くんに聞きたいことがあるの」

「何?」

「夢の中に入りたいんだけど、どうしたら入れるの?」

え、と晴くんは声を漏らした。

「…………色んなパターンがあるけど、僕のおすすめはりりさんが入りたい人の夢を見て僕が二人の夢を繋げることかな。なんでそんなこと聞くんだい?」

「私、玲音の夢に入らなきゃいけなくなっちゃって。どうしてもそうしないとダメなんだよね」

「そうなんだ。実行日はいつにする?」

実行日か。

「晴くんの準備が出来たらでいいよ」

「分かった。出来たら連絡する」

晴くんと別れた後、私は玲音のもとへ戻った。

良かった。

まだ息はある。

あの本には死じゃなくて永眠ってあったけど、やっぱり怖い。

永眠って、永遠に眠るという意味もあるけど、死ぬって意味もあるから。

このまま玲音がいなくなりそうで、消えてしまいそうで。
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