幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
俺の身体は必死に御札を剥がそうとする。

けれども、りりの呪文が効いているせいか全く外れない。

「やめろ!!やめてくれ!!」

「………私は玲音と千代さんを呪ったあなたを許さない」

「うわぁぁぁぁ!!!!」

そう叫んで俺の身体は倒れた。

その瞬間、俺は自分の身体に戻った。

「………りり、ありがとな」

「ううん。玲音が記憶を残してくれたから頑張れたんだよ」

やっぱ見たのか。

「そろそろ私、いかないと」

「また、現実でな」

「うん」

別れようとしたその時。

俺たちの前に歌子さんが現れた。
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