幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「よくも台無しにしてくれたな!!」

まるで妖怪のような容姿となった歌子さんはすごく怖かった。

こんなんになるまでレオンのことを愛してたんだな。

「レオン様とあの女の仲は引き裂けなかったが、お前らならいけそうだ」

俺たちの周りに黒い渦が現れた。

「レオン様とあの女の来世よ。せいぜい、呪いの渦で苦しむがいい」

逃げないと。

そう思ったときにはもう遅くて。

俺たちは渦に飲み込まれていた。

「りり!俺にしがみつけ!!」

りりは俺にがっちりしがみついた。

「その手、離すなよ」

「うん」

渦の勢いは増していった。

「玲音、危険だと思ったら私を犠牲にして」

「何言ってんだよ!そんなこと出来ねぇよ!」

「私は晴くんの御札があるから大丈夫なの」

そんなの絶対に嫌だ。
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