幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
夢の世界には俺たち二人だけになった。

「………全て終わったの?」

「そうみたいだな」

りりの目から涙が溢れた。

「玲音………」

俺にしがみついて大泣きしていた。

俺はただ頭を撫でていることしか出来なかった。

俺は死ななくて済む。

りりと離れなくて済む。

そう思うとすごく嬉しかった。

「帰ろ」

「そうだな」

俺たちは手を繋いで現実世界へ歩き出した。
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