幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
現実世界の扉へ来たとき、レオンのことを思い出した。

「りり、先に行ってくれ。俺はレオンに挨拶してから帰る」

「分かった。絶対帰ってきてよ?」

「もちろん」

俺たちはゆびきりして、別れた。

さーてと。

俺はレオンを呼ばなきゃな。

「レオン!!」

「なんだ、まだ帰ってなかったのか」

うわっ!

驚く暇もなく、レオンはもう前に立っていた。

「ありがとな」

「私は何もしていないぞ?」

「りりに記憶見せてくれたじゃんか」

「それだけだろ。それより、自分から伝えるだろうな?」

「もちろんだ」

「それならいいが。もう傷付けるなよ」

「ああ」

俺はレオンにさよならを言って、現実世界へ帰った。
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