幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
目が覚めると俺は洋館の三階にあるベッドルームにいた。

あーあ。

ここの存在、バレたか。

りりともう一緒には寝れないな。

重たい身体をゆっくり起こした。

「玲音!」

りりは涙目だった。

「お母さんたち呼んでくるね!」

りりはバタバタと下へ行った。

「………具合はどうだ?」

汗だくの五鬼継が声をかけてきた。

「おかげさまで元通りだよ」

「そうか……」

五鬼継の手にはアザやコブがたくさんあった。

こんなになるまで俺のこと助けてくれたんだな。

「お前の札効いたよ。ありがとな」

「……別に君のためじゃないから。あくまでりりそんの頼みだからな、勘違いすんなよ!」

五鬼継はそっぽ向いて言ってきた。

明らかに照れてるよな。

素直じゃないやつ。

「本当にありがとう」
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