幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「玲音っ!!」

一番最初に母さんと父さんが入ってきた。

二人とも泣いて俺を抱きしめた。

「無事で良かった」

「お前が死ななくて良かった」

などと言って泣いていた。

りりの両親は涙を浮かべて抱き合っていた。

みんなに心配かけたな。

「みんな、ありがとな」

俺も連れて涙が出てきた。

泣くもんか、と必死に堪えた。

「りり、お前には本当に感謝してもしきれない」

「………当たり前のことをしただけだよ」

いつもより、りりの笑顔が眩しかった。
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