幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
両親たちと五鬼継は気を聞かせてくれたのか部屋から出ていった。

俺は自分の口から言った。

「お前が好きだ」

「………え?」

りりは突然の俺の言葉にきょとんとしている。

「お前を愛してる」

りりは泣き出してしまった。

「泣くなよ」

りりの涙を拭うけど、溢れ出てちっとも止まってくれない。

「………だって嘘かと」

「嘘な訳ないだろ。記憶でも見ただろ?」

「あれはまとめとして言っているだけと思ってたし」

「だいたいな、呪いは愛で解けるって言ってたろ?俺がお前を愛してないのに解けるはずないって」

「私が愛してたから解けたのかと思ってたし………あ」

今なんて………?

「もう一回言ってみ?」

「…………私も玲音のこと愛してたからって……わっ!!」

我慢できなくて、りりを抱きしめた。

「ほんと?」

「本当じゃなきゃ言わないよ」

「いつから?」

「玲音が倒れる前」

もっと早く俺を好きになれよ。
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