幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
すでに遠くを歩いている静くんを引き留め直した。

「連れ出すってどこに?」

「二人でイチャイチャ出来るとことか?」

「え……」

イチャイチャ……?

そんな考え浮かばなかった。

「修学旅行なんだし、りりちゃんから攻めてみなよ」

静くんの勘が鋭い。

よく私が玲音に押されてるって分かったな。

「……頑張ってみる」

「頑張れ。俺も頑張るわ」

静くん頑張れ!

と陰ながらエールを送った。
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