幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「それに入井、お前本気で香月のこと好きなの?お前、吸血鬼だから血だけ好きなんじゃないの?」

あり得るかも知れないけど、私は違うって信じてるし!

「んなわけねぇだろ。何も知らない奴が勝手なこと言うな」

山崎くんはブルブル震えながら叫んだ。

「俺はな、色んな女から聞くんだよ!お前のことが本命だけど、フィアンセいるから落とせない。だから俺のとこ来るってそれが許せねぇんだよ!!」

逆恨みじゃん。

つまり、自分が一番じゃなくて二番だから気に入らないんでしょ?

そんなので玲音にキレるなんて自己満足だよ。

「あとさ、俺、りりの全てが好きだから」

玲音の腕を掴む力が強くなった。

と思えばぐいっと引っ張られて、玲音と唇が重なった。

んん?

「………俺のりりへの愛、なめんなよ」

き、き?

山崎くんの前でキスしたの?

ありえないから!!

「……そんなんで俺を騙せると思ってんの?」

「騙す?………それなら分かるまで見せつけようか?」

玲音はもう一度、私を引っ張りキスをした。

いつもより長く、止まらなかった。

「……んっ…………んっ」

い、いつまでやるの……?
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