幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「もう分かったよ!!」

山崎くんは観念したように言った。

すると、ようやく玲音の唇から解放された。

「その代わり、明日からどうなっても知らないからな!」

「勝手にしろ」

山崎くんは悔しそうに帰っていった。

「りり、ごめん……」

早速、玲音が謝ってきた。

「いいよ」

「俺、見せつけのためにやったけど楽しくなってきちゃってスイッチ入りかけた」

なっ!?

「もう、ばかっ」

軽く玲音を叩いた。

「明日、何かあったら呼べよ」

「………うん」

「牛乳買いに行くんだろ?」

「そうだねっ」

玲音は明るい調子に言ってくれたけど、明日から不安で不安で仕方なかった。
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