幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
昨日あったことを玲音は全て話した。

キス………のことは恥ずかしかったけど、仕方なかった。

「それはダメだろ」

四人は口を揃えて言った。

「いくら守るためでもアウトでしょ」
「そーそー。火に油注ぐ感じ?」
「入井様は警戒心無さすぎです」
「見せつけるのはりりのためにも良くないわ」

「ごめん」

改めて玲音は謝ってきた。

「私が悪いんだもん。何も言い返せなかったし」

「りりは悪くない。悪いのは俺だ」

違う。

私が山崎くんと話をつけなきゃ。

「私が解決する」

「……お前っ、まさか」

「山崎くんと話す!」

「やめろよ。俺は反対だ。俺が話してくる」

玲音が立ち上がったその時。

「ここは香月さんが適任じゃないかしら?」

麗華さんがそう言った。

「玲音は山崎に嫌われてるんでしょ?何を言っても悪い方向にしかいかない。それなら香月さんの方がいいでしょ」

「そうだけど!」

玲音は不満そうだった。

「私が山崎くんに楯突いたから詮索されたんだもん。私がやめてもらうように言う!!」

私は立ち上がって山崎くんのところに行こうとした。

「おい、りり!」

「玲音を守るって言ったでしょ?守られてばっかりの私じゃ嫌なの」
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