幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
とはいえ、山崎くんがどこにいるかなんて知らない。

必死に校内を探した。

そしてようやく図書館で見つけた。

「見つけた。山崎くん、話があるの」

「俺も」

私は山崎くんと向き合った。

「変な噂流すのやめて。事実無根だから!」

「でも、キス見せつけられたし」

ディープじゃないもん!!

「同棲じゃないから!」

「あれは同棲だろ」

だから違う!

その時、玲音の落ち込んだ表情が横切った。

「とにかく、玲音を傷付けないで」

山崎くんはまたびっくりした表情で見てきた。

「本当に面白い女だな。あんなに俺のこと怖がってたのに入井のために強くなるんだな」

玲音にあんな顔してほしくない。

私が玲音を守るんだから。
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