幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
魁李は私を心配そうな顔で見ている。

話さないわけにいかないもんな。

心配しないで、と魁李に合図を送り、女子たちの質問に答えることにした。

「ディープキスしたのって本当?」

「それはしてないっ!」

ディープじゃないって。

「それはってことはキスはあるんだ」

私は思いだし、紅くなってしまった。

「何回?」

何回だっけ?

脳内で必死に数えた。

「な、七回かな?」

「はあ!?全部入井くんから?」

「一回は自分から……」

呪いを解くために必要だったあれもカウントしていいよね。

「どんだけラブラブなのよー!」

私も七回とは思わなかった。

「それじゃあ、フィアンセってのは?」

なんて言えばいいんだろう。

玲音が私のためについてくれた嘘だしな。

「……秘密」

気になるっ!

って言われた。

でも、そうとしか言いようがないよね。

「告白はどっち?」

「玲音かな……」

思い出したたげでも恥ずかしい。

「いいな!そんな彼氏がいて」

どうやら今話している女子たちは玲音ガチ勢では無さそうだ。
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