幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「玲音、お先に」

「お、おう」

玲音の様子が変だった。

そっぽ向いてて目を合わせてくれない。

しかも適当な返事。

「目、合わせて」

「嫌だ」

「何でよ?」

「お前が……かっ、かわ、かわ……」

「かわ?」

「カワウソみたいで」

「は?失礼ね!」

玲音、何言ってんの?

本当に意味分かんない。

「もういい」

私はむすっとしてそっぽ向いた。

玲音は私の前に来た。

そして覗き込んできた。

「え、何」

「別に」

結局、玲音は何が言いたかったんだろう。
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