幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
玲音は静かに怒っているようだった。

それが怖くて何度も謝った。

「何で簡単にキスされてんの?」

「………私が無防備だったから」

「俺以外の男にキスされてんじゃねぇよ」

「ごめん」

ただ泣くことしか出来なかった。

こんな自分嫌だけど、涙が止まってくれない。

せめて、玲音としっかり話したい。

玲音は急に私の手を掴んで旅館の方に歩いていった。

今度は何?

混乱の中、必死についていった。
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