幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
旅館に着くと、玲音のクラスの部屋に連れていかれた。

部屋には誰もいなく、真っ暗だった。

扉を閉めるとすぐに押し倒された。

「上書きするから」

玲音は私にキスしてきた。

自分自身が許せなくて涙がさらに出てきた。

「こんなにも泣かされて………」

玲音は私の涙を舐めてきた。

「本当に許さねぇからな」

「………んっ」

すると、廊下で声がした。

こちらに向かってだんだん大きくなる。

やばい誰かくる!

玲音と私は近くの布団に入った。

「あれ、入井寝てんの?」

「ちょっと具合悪くなって」

抱きしめる強さが強まった。

「そーか。お大事に」

「てか、彼女さんは?大丈夫なの?」

玲音は私の服に手を突っ込み、背中を触ってきた。

「あー大丈夫だよ」

声を上げそうな私に小さな声で囁いてきた。

「バレたくないでしょ。静かにしろよ」

絶対、私をからかってる。

「そーゆーお前らは何しに来たの?」

玲音の手はどんどん上に上がってきた。

あ、もう無理かも。

「俺らは財布忘れたんだよ」

「そーそー!」

早く出てって。

「そっか」

男子たちは財布を取り、部屋から出ていった。
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