幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
玲音の腕から解放された私は深呼吸した。

「どこ触ってんの!?」

「お仕置きだよ」

玲音は舌を出して、私の額にデコピンした。

「でも、お前気持ち良さそうだったぞ?」

「………はあ!?」

あり得ない。

なんでこんな風になったの。

まるで狼男みたい。

「これで分かっただろ、俺だって時には狼になるってこと」

「分かったけど………」

あんなことまでしないでいいでしょ!?

「とにかく、山崎には気を付けろよ」

「うん」

「またされたら三倍にするからな」

「へっ!?」

気を付けよう。
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