幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
扉が開いたと思うと部屋が重い雰囲気に包まれた。

これが魔王の力なの?

顔も物凄い怖いんだろうな。

「やあ」

私は度肝を抜かれた。

だって………穏やかな人だったもの。

優しい顔立ちでニコニコしていた。

てっきり怖い人かと思ってた。

「君がりりさんだね。私が魔王だ」

大雅くんになんとなく似てるかも。

雰囲気とか顔とか話し方とか。

親子だな。

って、私は帰りたいんだった。

「あの、帰らせてください」

「それは出来ない。君には大雅の王妃になってもらう」

は?

王妃!?

絶対に嫌!!

「帰りますからっ」

「いいのかね?君の大事な吸血鬼くんがどうなっても」

「玲音に手は出さないで下さい」

そんなの卑怯だよ。

「では、我々の指示に従うのだな」

そう言い残し、魔王は部屋から出ていった。
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