幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
玲音は花畑で私を降ろした。

「ここまで来ればいいだろ」

玲音は座り込んでしまった。

吸血鬼の力を使う玲音は今まで見たことがない。

それはすごく体力を使うからなのかも。

「吸う?」

「ああ」

玲音を私の首元を噛んだ。

チクッとするこの感じも血が熱くなる感じも懐かしい。

玲音に会えたんだな。

「玲音、来てくれてありがとう」

「離さねぇって言ったろ?」

あの時だけかと。

「私も離れないって言ったのにごめんね」

「大体さ、俺が魔王に負けると思うの?俺はお前さえいれば無敵なんだよ」

無敵って。

「大袈裟だよ」

「事実だよ」

玲音と私を顔を見合わせた。
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