幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
りりが体を起こした。

「…………おはよ」

「おはよう」

朝ではないよな。

正確に言えば昼なんだけど。

「あ、ティアラある?」

何でいきなり?

「ここにあるよ」

りりを寝かせる時に外して、テーブルの上に置いた。

このティアラがそんなに大切か?

「これが何だよ」

「私のために大雅くんが作ってくれたみたい」

俺はもう一度、ティアラを見た。

確かに繊細かつ綺麗で素人じゃ出来そうにない。

「山崎が大切だからか?」

「…………素敵な気持ちが詰まってるから」

そうか、りりは貰った物を大切にするタイプだもんな。

でも、どうしても妬いてしまう。

俺は大切にされてるよな?

不安にもなる。

「大切にするのはいいけど、俺の前で他の男の名前出すの禁止な?一回出したら一回キスで」

「え!?」

りりは真っ赤になった。

そういう反応、可愛いな。

「分かったか?」

「うん」
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