幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
俺はまぶたをゆっくり開けた。

目の前には涙を浮かべたりりがいた。

「よかった!!」

りりは俺を抱きしめ泣いた。

いつもこいつを不安にさせてるな。

ダメな彼氏だな。

「心配かけてごめんな」

背中をさすっていると、抱きしめる強さがさらに強くなった。

「今日、力を使ったせいで動けなくなったんだ」

りりは顔を起こし、怒鳴ってきた。

「なんでもっと吸わなかったの?遠慮してたわけ?」

「りりの負担にはなりたくなくて………」

「私の負担?勝手なこと言わないでよ。思う存分吸っていいってあれほど言ってるのになんで分からないの?」

りりは怒っていたけど、それ以上に悲しんでいるように見えた。
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