幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
昼休みに玲音と食堂へ行った。

「りり、何食べる?」

「玲音と同じやつ」

「分かった。席取ってて」

「うん」

人が多いため、逆に注目されない。

廊下とかはもちろん注目されるけどね。

玲音は慣れてるからいいけど、私は何年経っても慣れない。

丁度空いた席を取っていると、マンドレイクの女子達が話しかけてきた。

「あら、デビルズクローの香月さんじゃない」
「どうせ玲音様と一緒なんでしょ」
「一緒にランチするなんて贅沢な人ね」

こう言われるのは慣れてる。

少し耐えればいいだけ。

でも、マンドレイクの二階堂麗華(にかいどうれいか)さんの言葉だけは重くのし掛かる。

「あなた、身分をわきまえたら?庶民のあなたが玲音と釣り合うはずがないじゃない。それなのに普通に隣に居て。玲音の恥だわ!」

私が玲音の恥?

なんでそう言い切るの?

その言葉だけが許せなくて、言い返してしまった。

「玲音と私の何が分かるんですか?私は玲音を守るために居るんです。関係ない人にとやかく言われる筋合いはありません」

い、言っちゃった……。

「……あなたねぇ!!」

「ストップ」

声の方を向くと玲音が立っていた。
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