幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「赤団優勝!!!」

「黄団ファイトー!!」

「押せ押せ青団!」

「白団必勝!!!」

あちこちでそんな声が聞こえる。

玲音は赤団で私は青団だ。

敵……なんだけど、やっぱり玲音のことは応援しちゃう。

「応援団による、団対抗リレーです」

あ、玲音が出るやつだ。

どうやら玲音がアンカーらしい。

足速いもんな。

「位置について、よーい………」

パンッ!!

雷管を合図に各団の応援団が走り出す。

現在、白団が一位だ。

玲音たち赤団は最下位。

それからどんどん巻き返したけど、青団一位の赤団が二位で一騎討ち。

どちらが勝ってもおかしくない。

そこでバトンが渡された。

「いけ!玲音いけ!」

「頑張れ!!」

皆、この勝負に釘付けだ。

本来は青団を応援するべきだと思う。

でも

「頑張れ!玲音ー!」

玲音を応援してしまった。

「こら、香月は青団でしょ」

もちろん先輩には怒られたけど。
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