幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
爽やかすぎる笑顔で私たちを見ている。

ということは………キレてるんだ。

「今りりが言った通りだけど、何か文句ある?」

笑ってるのが怖すぎる。

「玲音はなんでこんな庶民を守るの?私はなんの力もない人間よりも力がある魔女。私なら玲音にふさわしい………」

「麗華。お喋りが過ぎたようだな」

「ご、ごめん………」

「とりあえず、俺たちのランチの邪魔しないでくれる?」

「でも!」

「……消えて」

消えて、と言った玲音の顔があまりにも怖すぎて心の底から震えてしまった。
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