幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「うわぁ!」

俺は抱えきれなくて、後ろへ倒れてしまった。

「私も愛してるよ」

りりは涙を浮かべながら言ってくれた。

すると、拍手が起こった。

見ていた生徒は皆、拍手し俺たちを認めてくれた。

「玲音様がどれだけ香月さんのことを好きか分かりました!」

「どんな玲音様も好きです!!これからも推してきます!」

「入井ってただのモテ男じゃなかったな」

「尊敬するわ」

「香月さんって意外に行動派なのね」

「勇気があっていいわね」

俺たちの良からぬ噂をする奴もいた。

俺はりりを守りきれなくて不安になった。

でも今は違う。

皆、俺たちを認めてくれている。

これでりりに危害が加わることもないだろう。
< 289 / 328 >

この作品をシェア

pagetop