幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
足音がしたので振り返ると、りりが立っていた。

「玲音に会いたくて走ってきちゃった」

また可愛いこと言う。

無自覚なのが悔しいよな。

「お前なぁ、何で生徒会長と仲良くしてんだよ」

「なっ!?聞いてたの?」

「ばーか。アナウンスなんだから全校生徒に丸聞こえだっつーの」

「あ、本当に嫉妬してる」

こいつは。

りりの頬を引っ張った。

「ごょめんなちゃい」

「……そんなんで許してもらえると思ってんの?」

「思ってにゃい」

無理、可愛すぎる。

「許す!!」

手を離すとりりは自分の頬を撫でた。

「玲音って単純だね」

単純なんかじゃない。

お前が可愛すぎるせいだ。
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