幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「………私のこと、お姫様って言ってくれてありがとう」

りりは思いっきり姫じゃん。

可愛くて優しくて気品がある。

「俺が王子なら姫はお前しかいねぇよ」

「そっか、玲音は私だけの王子様だもんね」

「そう言うお前も俺だけの姫だからな」

俺たちは顔を見合わせて吹き出した。

なんて会話をしてんだ。

さすがにおかしいよな。

「あ、見て。花火!」

ヒュー………………ドン!!

「綺麗だな」

「うん」

俺たちを包み込むような暖かな花火が体育祭の終わりを告げた。
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