幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
ふらふらとショッピングモールを歩いていると、魁李と冴月くんに会った。

「あれ?りりじゃん」

「ご無沙汰してます」

「ちょ、冴月。固いってば」

「ごめん。つい癖で」

ん?

冴月くんってこんなに穏やかだったけ?

「何してるの?」

「玲音の誕生日プレゼント買おっかなって」

「へぇ」

納得したように頷いた二人を見直した。

そういえば、魁李も冴月くんもおしゃれな私服着てるな。

魁李なんてメイクしてるし。

冴月くんはいつものカチッとした雰囲気は消えて、ふわふわしてる。

魁李といるのが一番、楽なんだろうな。

それに普通に見たらデートにしか見えない。

「そう言う二人は……デート?」

二人の顔はみるみる真っ赤になった。

「そ、そんなんじゃないよね。ただ、冴月が暇って言ったから遊びに来ただけだし」

「そうそう。たまたま、魁李が暇だったたげだし」

「つまりデートじゃん」

「違う!」
「違うってば!」

声を合わせて否定していた。

ラブラブじゃん。
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