幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
しばらくして目覚めると玲音が居ないことに気づいた。

あれ?

立ってみると、まだふらついていた。

最近ずっとこうだな。

そろそろ慣れないとな。

「玲音?」

薔薇の温室に行った。

玲音は案の定、そこにいた。

「玲音……」

声をかけようとしたが止めた。

玲音が薔薇に向かって何か言っていたからだ。

「………どうしたらあいつを傷付けずに済む?俺はあいつがいないと生きれないけど、あいつは俺がいるから自由になれない。解放した方がいいのかな?」

玲音は誰のことを話しているのだろう。

「俺ももうすぐあの呪いに侵される。そのまえにあいつと離れたいんだ」

呪い。

この言葉に聞き覚えがあった。

「玲音に呪いがかかってるの?」

我慢出来なくてつい言ってしまった。
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