幼なじみの吸血鬼くんが本気を出したら。
「俺が香月玲音になってもいいけど?」

「嫌!玲音は入井の方がいいもん!」

香月は似合わないよ!!

「冗談だよ。ムキになるなって」

だって、嫌なんだもん。

玲音は入井だもん。

「本当にあんたたちはいつまで経ってもラブラブよね」

「だな」

二人して言わないで!!

「いいじゃん。これからラブラブ夫婦になるもんな」

夫婦。

キャー!

いい響き。

「りりが何かに浸ってるけど」

いいじゃん!

幸せなんだもん。

「俺のことだけ見てればいいのに。妄想に浸らなくても、りりの願いは何でも叶えるからな」

「うん!」

魁李と冴月くんは呆れたようにため息をついた。

「入井くんってりりにだけ、甘すぎるよね」

「それには困ったもんだよね」
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